曽根天満宮秋祭り(一つ物) 2007年10月13日〜14日
(阿弥陀東村 復帰3年目の取組み)
今年も曽根天満宮の秋祭りに参加しました。この1月間、好きな山にも行かず祭の準備と練習に明け暮れます。土日は当然のこと、夜も9時から11時頃まで毎日自治会倉庫にこもり準備をします。 まず、竹割りに使う竹を取りに行く必要があります。根本で直径17〜20cm、高さ12m程度の真竹が4本必要です。 今年も無事に入手できましたが、採取地は企業秘密です。孟宗竹では太さは十分ありますが先が急に細くなり、竹割には不向きです。根っこ付きでの採取ですので、運び出しも合わせかなり重労働です。 |
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集った青年会メンバー |
掘ってきた竹(全部で4本) |
採ってきた竹の根元を丸く整形します。整形しているのは今年初めて参加する(といっても祭参加が復活して今年でまだ3年目ですが)イラン出身で日本に帰化しているアーリーさんです。 根っこに最大16人が竹を衝くためのロープを取付けます。「ドンガネ」という金具を竹に取付けボルトで締め上げ、ロープを固定するのですが、去年は手ぬぐいを濡らしその上に取付けたので宵宮ですべり緩みました。今年は自転車・バイクのチューブを巻きその上から締付けたら滑らずうまく行きました。 |
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根を整形するアーリーさん(イラン出身) |
根本の加工はこうなっています |
竹を立てるとこのような形になります。四隅を「タコ」と呼ばれるロープで支え、中心を16人ほどで衝きます。持上げるというより手前に全員で円形に引張り、1.5mくらい上より落します。 | |
練習で竹を立てたところです |
竹割りの練習です |
練習で衝いているところです。左が引張ったところ。右が落したところです。まだ練習のため1m位しか上がっていません。 四隅のタコを引張りすぎると上に浮かず、弛めると竹の鉛直性が確保できずなかなか難しいところです。 |
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竹割りの練習です2 |
竹割りの練習です3 |
竹が割れたら今度は竹を半折りして巻き結びでとめ、上下に衝きます。左が上げたところ、右が打下ろしているところです。 これを10〜20回繰返します。 これは全て一つ物の歩く道を衝き固め、先導するために実施するものです。練習開始は9月中旬からですので、まだ残暑が厳しくかなり体力を消耗します。 |
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横衝きの練習です1 |
横衝きの練習です2 |
町の大通り(旧国道2号線)に鳥居形の提灯を取付けます。阿弥陀中東で2基阿弥陀西で2基の計4基が1kmほどの間に並びます。夜は燈が点り祭気分を高めます。 | |
旧国道に提灯が付きました |
夜は提灯を点灯します |
辻の角々、電柱等に3mほどの高さの破竹をくくりつけ、それに縄を渡し「シデ」を挟みます。これを取付けると町中が祭気分になります。 | |
家の角々に竹を立てます |
縄を張り「シデ」を取り付けます |
公民館前に、御花(祝儀)をいただいた方々の名前を張り出す看板を取付けます。また、頭人(一つ物)宅近くに昼宮用の馬を繋ぐ柵を作ります。 | |
御花の御礼を貼付ける看板です |
馬を繋ぐ柵です |
いよいよ宵宮で割る竹の加工です。どうせ粉々に割る竹ですが、祭に出る時はきれいに飾付け、せめて宮まで持たせたいという思いもあり、きれいさ・耐久性と壊れやすさを兼ね備えなければならず、構造力学の得意な技術者としてもなかなか解決しがたい興味ある課題です。ことしは左の花は結構長持ちし、折紙で作った花弁の散るのがきれいでしたが、太鼓は直径65cmの「トオシ」の側で作ったのですが、真剣に衝いたら1撃で真っ二つとなってしましました。来年は耐久性の改善が課題となります。 | |
宵宮用竹の最上部の梅飾りです |
宵宮用竹の太鼓です |
左は提灯取付けの横木です。去年は白木を使用し途中で破損したので、今年は合板を使用したのですが、やはり一撃で折れました。ロープを接着剤(ボンド)で固定したため遊びがなくもろかったようです。来年の改良課題です。 左は太鼓と提灯横木です。 |
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宵宮用提灯の支え板です |
横木とと太鼓です |
四隅で引張る「タコ」と呼ばれるロープを取付けます。基本的には、巻き結びで竹に中央を固定し四角で引張ります。昨年は横木が破壊したため、ずり落ちたので今年は直接竹に取付けることにしました。右の写真は取付けが終った宵宮用竹です。 | |
四隅介錯用ロープ「タコ」を取り付けます |
宵宮用竹の上の飾り全景です |
左は昼宮用竹の幟固定用竹です。昨年は何とか宮まで持ったのですが、今年はやはりボンドで固定したため途中で割れ、竹を衝いていた中学生にぶつかり、頭を10針縫うけがとなりました。やはりある程度の遊びは必要な様です。今年の一番の反省点です。右が幟を取付けた竹です。 | |
昼宮用竹の上部固定用棧です |
昼宮用登りを取付けたところです |
宵宮・昼宮用竹を頭人(一つ物)宅の付近に1週間ほど立てます。両竹とも高さが12m近くあるので壮観な眺めです。太鼓をインクジェットプリンタA1版で制作し、ナイロンで防水したのですが、強風で水が入りにじんでしまい当日貼り直しました。これも反省点です。四隅は杭を打ちロープを固定し、竹の根元は右の写真のように杭を打ち固定します | |
1週間ほど前に頭人(一つ物)の家近くに立てます |
根元周辺はこうなっています |
・・・宵宮(10月13日 土曜日) 祭り統括責任者と運行責任者の正装です。運行責任者の白の法被はなかなか美しいものです。一般青年会はその他の正装で、法被を着る者、腰に巻く者の2通りありますが、白の腕ぬき(半天)は必ず着用の必要があります。まわしは木綿製で同色です。足袋は濃紺で普通の物ですが、ちょっと眺めの鳶スタイルです。 今年で2年目の人が多く、1年目に比べ多少馴染みが良くなってきたようです。 |
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祭運行責任者と統括責任者の正装です |
一般の青年会のはっぴと腕ぬき姿です |
宵宮用の竹を担ぎ、一つ物を迎えに自宅まで向います。宵宮は馬子に担がれ宮まで行くので、赤い笠を持ち自宅の前に集合しお出ましを待ちます。ススキに付けた旗も独自の物で今年新たに制作したものです。 | |
竹を担いで一つ物を迎えに行きます |
家の前で一つ物を待ちます |
一つ物が担がれみんなの待つ公民館前広場に到着します。宮に着くまで一切地面に脚を付けないのがきまりです。 山鳥の羽根付き花笠がなかなか綺麗ですが、ちょっと重くあごに食込むひもがいやそうでした。 |
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一つ物のお出ましです |
宵宮は馬子に肩車され宮まで行きます |
宵宮用竹と一つ物を入れ記念写真を撮ります。左は随行の子供達で右は警備・役員達です。青年会の写真も撮ったのですが当然その中に並んでいたため今回写真はありません。 | |
出発前の子供先導者 |
出発前の長老・警備者等 |
宮まで4kmのうち、数カ所で竹を立て衝きながら移動します。最初の一衝きで提灯の受け台、太鼓が破損してしまいました。もうちょっと持たせたいので来年は改良が必要です。 | |
数カ所で竹を立て、衝きます |
気合を入れ呼吸を合わせることが大切です |
行進中の風景です。今年は天辺の花が良く持ち衝く度に数枚ずつ散り、うまく行ったようです。かけ声を合わせ、行進します。 | |
宮まで4kmを竹と一つ物を担いで行進します |
宮まで4kmを竹と一つ物を担いで行進します |
宵宮での竹割り風景ですが、本人も入っているため撮影できず、新聞社の写真をいただきました。個人利用のため版権の主張はご容赦願います。 | |
本番での竹立てです。ものすごい観客数でした |
竹が割れて砕ける瞬間です |
竹が割れると半分に束ね今度は横に衝きます。土曜日の夜ですごい数の観客でした。割る方も気合が入りなかなか良く竹も上がり、うまく行きました。 | |
砕けた竹を二つ折りし、横に衝きます |
このときもものすごい人の数でした |
このあと一つ物の宮出しを先導し、割れた竹を担ぎ再び4kmも道のりを公民館まで帰ります。数カ所で横衝きをするのでかなり疲労が溜ります。一つ物も疲労の色が隠せません。 | |
終ったら割れた竹を担ぎまた4kmの帰路につきます |
帰りの一つ物ですお疲れの模様です |
それでも公民館まで帰ったらまた横衝きをするのですが、最後で地元の人も見て声援するためまた気合が入り最後のがんばりです。 | |
数カ所で横衝きを繰返します |
数カ所で横衝きを繰返します2 |
・・・昼宮(10月14日 日曜日) 朝早く、一つ物が乗って宮に向う馬が到着します。隣の加古川市志方町にある乗馬クラブから毎年借りています。数年で一度同じ馬が来るようです。右は旗の横に繋いだ状態です。 |
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昼宮の馬が到着です |
馬と昼宮用の竹 |
昼宮用の竹を担ぎ再び一つ物詫まで出迎えに行きます。ここで馬に乗り一つ物が登場です。今日もやはり一つ物は地面に脚を付けることは許されません。 | |
今日も竹を持ち、頭人を出迎えです |
馬に乗り頭人(一つ物)が登場です |
昨日に引続き記念撮影をします。今日は昨日の太鼓と提灯ではなく幟が付いた竹で、長さは12m近くあります。 昨日と同じ山鳥の羽の付いた花笠をかぶり一つ物と宮に向います。 |
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今日も記念撮影です |
一つ物の正装です(山鳥の羽付帽子が優雅です) |
今年各村から4本の竹が集りましたが、宮まで幟が残ったのは我々だけでよく目立ちました。途中で竹に縦にひびが数本入ったのが幸いしたようです。昨日のように割るのに苦労せず、逆に規定時間もたせるのに苦労しました。本宮(昼宮)が日曜に当ったため大混雑でしたが、無事に規定時間ちょうどで竹を割り退場できました。 | |
本殿に無事に届いた竹です |
本殿前の賑わいです |
昨日と同じ写真を再度拝借しました。右はちょうど竹が割れた時の写真で、真竹はこのようにぐにゃっと割れ落ちてきます。このときは幸いなことに誰もけがをせず無事に終りました。 | |
また昨日と同じ竹立てです |
今日も無事に割れました |
途中で馬から馬子に背負われ公民館まで帰った処です。今年はサンテレビがこの風景を撮影し、後日放送してくれました。竹を公民館前で最終横衝きし、一つ物を家まで送り返し、今年の全ての祭行事は終了です。 | |
やっと帰り着いた頭人です |
帰っても公民館の前で横衝きです |
最後に公民館で簡単な慰労会がありました。みんなまわしを一刻も早く取りたくすぐ解散し自宅に戻りました。全般的にはうまく行ったのですが、やはり課題も多く残り、なかなか奥の深い竹割です。来年もがんばって良い祭にしようと意見の一致したところで今年は終了です。 | |
慰労会の風景です |
慰労会の風景です2 |